ペシャワール会の活動について

久しぶりにこれに向かって、これに向かう習慣がつけばいいなあと思っています。

今日は、私たちの会が、本当に支援のしがいがあると思って、この十数年間もったいないピースエコショップ事業で支援の主軸を置いている非政府組織ペシャワール会の活動について、かいつまんで。というのは、この会が歩んできた歴史があまりに多岐にわたって、且つこの現代に平和とは何かを具現的に示し真実をついているので、一言では語れないと思うので。

もう30年前くらいになるでしょうか。中村哲医師が、アフガンとパキスタン両方にまたがって、ハンセン氏病の治療をはじめたことから始まります。その間戦いが激しくなり、難民が激増し、哲医師は病気を治すことより、水と食料の自給が優先だという決意で臨み、井戸掘りと大河から分水する用水路建設が、彼自ら陣頭指揮、重機を操る長い道程の作業が始まり現在にまで至っているというわけです。もちろん、医療も続けながらです。

井戸掘りも私の記憶しているところでは、千本以上を超え、現在も継続中だと思います。用水路建設では、アフガンと日本の江戸時代の知恵を活用し、彼独自の手法を編み出し、マルワリード(真珠と言う意味だそうです)用水路を完成させました。それによって乾燥地で何もできなかった大地が三千町歩緑の大地になりました。用水路の護岸は、もちろんコンクリートなどは使わず、アフガンに沢山ある石を鉄線で編んだ網の中に積めた蛇かごが使われました。そして、その護岸に沿って、全て柳の木の苗が植えられ、将来その蛇かごの鉄線が錆びてくる頃になると、その柳が成長し、根を張り、両岸を永久に守ってくれるというわけです。 このように有るものを活用しながら持続可能な生態系を守っていくような社会にしたいものと、この手法から学びました。

ちなみに柳は、挿し木でも簡単につくとのこと。昔、初めてマイホームと庭を持った時、木の枝を挿して、そこから根を出させる挿し木という方法を初めて知って感動し、随分やったことを思い出しました。全く只の枝で命を生み出すのですからもったいないの極みですよね。ペシャワール会は、そのもったいないの精神からくる知恵で、大雨で出る大量の水を、渇水期に活用するために、用水路を建設中に用水路の近くに溜池を作っておくようになったと便りに書かれていたのを記憶しています。

地球は、水があるからこそ生物が生存できるのですから、大切にしないとバチが当たりますよね。その意味で、私たちの会がもう十数年市との委託事業でやっている「米のとぎ汁流さない運動、モニター制度」は、排水の汚染源となっている米のとぎ汁を、EMという有用微生物を活用して、浄化源にしてその上、水の節約にもなるという、住民参加型の事業です。とにかく「もったいない」は、日本の宝だけにしておくのはもったいないですね。